たちばな し

休職と復職にかかる記録残しです。ビジネス論も少しあるよ。

たった一つの重要なこと

ビジネス書とか自己啓発書とかそういうたぐいの本で「いくつの〇〇なこと」系の本は溢れている。同様にたった「一つの重要なこと」も多分ググればたくさん出てくるだろう。

なんのために、というのはとりあえず脇に除けておこう。たった一つの重要なこと、それは、「立場が入れ替わったら自分はどうなのか」を考えようということだ。

論語の言葉であるけど、「己の欲せざるところ人に施すなかれ」が近い。でも、そこまでストイックではない。「やめよう」というネガティブでもなければ「これをしよう」というポジティブでもない。ただ、立場が入れ替わったら自分はどうか、という考えがあれば、これさえ押さえておけば大概のことはなんとかなる。

ないとどうなるか。血祭りにしていなくとも血祭りにされ、焚かずとも焚かれる時代である。嫌がらせをするならば嫌がらせをされるのであり、血祭りにする者は少なくとも血祭りにされるのであり、焚くのならば少なくとも焚かれることになる。

よく言えば情けをかけることである。悪く言えば恩を売るのである。

ただし、恩を売っても買われるとは限らず、返済が仇でなされることもある。だから恩を売ると同時に、担保も取るのである。「この人には喧嘩を売れない」と思わせるのである。自分が相手の立場なら、どういうことをされたら喧嘩を売っても勝ち目がなく、ただボロ布になるだけであると心底思わされるかを考えるのである。

上下関係、権力関係を背景にすると立場が変わればやり返されるのでいけない。相手に畏怖を持たせるにはそれら以外の要素で畏怖されるのでないといけない。

「立場が入れ替わったら自分はどうなのか」を考える。安全なところから石投げ放題になった現代で、心の隅に置いておきたい価値観だと私は信ずる。