たちばな し

休職と復職にかかる記録残しです。ビジネス論も少しあるよ。

メモランダム18

メモランダム18

 有給休暇を多めに使って2週間休みました。結構ストレスは取れているはずです。年明け初日の午前中は持ちました。それで終わりでした。それで電池が空っぽになった感じがしました。「2週間休んで午前中一杯しか持たねえ…なんてザマかよ」というのがその時の思いでした。休み中は金色のガッシュ!!とか見て精神力回復したはずだったのに。150話とかあるんだぞあれ。

 ところで話が出て来なくなったAKさんですが、前年末に退職していきました。彼が帰るのを私は見ました。そしていなくなってからしばらくしてAはこともなげに「AKさん、今日最終出社だったんだ」と、さも「どうでもいいことだけど思い出したよ」な感じでいいました。一人係長となって死戦をさまようきっかけとなった戦線離脱をして私は彼を快く思っていないということがなかったと言えばそれは嘘ですが、まあこのAの態度の薄情さには激しい怒りを覚えました。早く吊られてしまえ。もちろんそれを表象するようなことは慎みましたが。
 かれはサポート業務を離れてから能無しSVが、といってもこのとき彼はもはやSVではなくただのリーダータイ格に過ぎなかったのですが、その「元」SVと同じ業務を他の多くのメンバーと分け合うことになったものの、ほそぼそとした感じで業務している印象しか残っておりません。実際SVは古株の全員と折り合っていませんでした。(それは無理も無いことでしたが)。そいつと組み合わされたことと、あとは前の業務に引き戻された退歩感でしょう気力が夏の砂に吸われる水のようなものだったに違いありません。実際業務処理も低下していました。それはあとに述べる週次の集まりで見せられるのでわかりました。
 Aの発言の後、程なくして上長が「コミュニケーションは難しいねえ」と軽口を叩いて寄ってきたました。たぶん彼は私と同じようなこと、つまりPIPにかけるとでも言われたのでしょう。私が彼と同じ決断を採らなかったのは私が単に小心者で臆病で無能だったから逃げ出すことができなかっただけに過ぎません。逃げていたらさてどうなったでしょうか。それは私も知りません。塞翁が馬といいますのでいい方に転ぶか悪い方に転ぶか、私が前の職場を離れたときのようになるかは神ですら実は知らないかもしれません。前の職場を離れてここに来て正解だったのかと言うのは正直なところわかりません。ただし、正解だと信じることはできますしそうするしか幸せを得る方法はないと断言しても間違いではないでしょう。後悔はするだけ労力と時間の浪費にしかならないのですから。

 毎週特定の曜日の特定の時間帯に部署全員集まってミーティングをしてました。単純接触効果で部署内の結束を深めたかったようですが、上長は「単純接触効果は悪い印象をもつ相手については反感を増すだけのことがある」ということまでは知らなかったようです。(手元の本には出典として「Bornstein RF, Craver-Lemley C. Mare exposure effect. In Pohl RF, Cognitive illusions: a handbook on fallacies and biases in thinking, Judgement and Memory. Psychology Press, 2004」とありました)。
 結局は「嫌いな人を更に嫌いになっただけ」でした。あるときチーム内のとあるひとが「毎週なんでYさんだけ指名されるんですか」と尋ねたときに上長が軽いはずみで「面白いから」と返答したのも私をがっかりさせました。「部下はてめえのおもちゃじゃねえぞ」と思いました。人間の地金というのはこうも軽い弾みでぽっと出てくるものです。上長の信頼残高はまた目減りしました。まあ、そもそも「嫌という人にぜひ行ってほしいんだよねえ」の件と毎週この集まりで見せられた7つの習慣の件とで「この人は他人というコマを思い通りに動かそうという野心しかない」とは薄々感づいていましたから、がっかりしたと言っても再確認した程度のことだったかもしれません。「チーズはどこへ消えた?」の紹介などもしていて意識高かったですが、「チーズはもうないんだぞ」というメッセージだと受け取っていました。
 そもそもミーティングはブレインストーミングと複数人間での意思決定の場であって懇親会じゃないし業務連絡ならメールで済ませという思想が私にはあります。これは今でも変わりません。1人時給2000円としても10人で2万円の損失です。果たしてそれだけの価値があったのでしょうか。そして10人が一同に会すのですから20時間業務処理の時間を失うわけです。
 あたしは幸運にも正社員になりたいと思ってそれがかなった身ではありました。だから派遣社員には関係ない話を原則全員出席の(とはいえ一部の場合を除いて執務優先は許されていましたけども)集まりで話すことにも反感を覚えていました。もっとも、就職氷河期が長すぎて派遣が当たり前という人にとっては、私が思うような心の傷をえぐられるような感触はなかったかもしれません。なかったらいいなと思うばかりです。
 採用される前の話ですがAに「夏休みどうするの」と聞かれて「こっちは保険のために残しておかねえと詰むんだよ」と思っていたことも今更ながら思い出されます。正社員は20日の有給休暇がありますが、派遣の場合は大概10日でしょう。無神経はこれだから嫌なのだ。