たちばな し

休職と復職にかかる記録残しです。ビジネス論も少しあるよ。

メモランダム16

メモランダム16

 前回私の死で終わった本編ですが、いえ嘘です。かろうじて死んでます。やっぱ死んでんじゃん。

 いつの間にか事実の記録という目的を逸脱してしまい、いざという時の訴訟に備えるつもりの記録もその役をなさないというか却って自らに災いとして降りかかりやしないかと気になってきました。法には触れないように気をつけなきゃ。でも、その時その時の私の感じ方自体は概ねピンそば5オングストロームほどにつけてます。事実上カップに入ってますねこれ。パー5の2打目ならアルバトロスですよ。保険に入っておかないと死ぬやつですよこれ。

 胸いっぱいの不満とともに新しいタスクが過積載になった私ですが、実はその新しいタスク、1件毎の手間と時間はかかるのですが、なにしろ件数が3人で受け持つには少なすぎるのです。それでもMMさんのQOLの向上とBCPのために業務は覚えていきました。
 こちらは教えを請う身なので色々とAに尋ねますしAがいなければMMさんに「普段こういうのどうしてるの」と尋ねる方法で覚えていきました。「どうするの/どうしたら良いの」という将来の質問に人は答えにくいものです。なぜなら判断をしなければなりませんし脳は判断というのは出来る限りしたくないものです。そして普通に考えて派遣社員の身でその結果の責任を負わされるのは御免被りたくて当然です。もちろんそんな酷い目に合わすつもりは1ミリもないですが、怖いものは怖いものです。どうすべきかという判断基準も人それぞれです。私は素人でMMさんは経験者です。しかし彼は派遣さんでした。業務歴は彼のほうが当然長いので先輩ではありますが、派遣さんは派遣先責任者の指示の下で業務をするわけですから、彼に指示を求めるというのは誤りです。だから「過去に何があったか」を問うたのです。これなら彼の判断は混ざることもありません。記録された事実を照会しさえすればいい。一応彼とはきちんと情報共有できてたつもりでいます。客観的にはどうか知りません。(おれとAとの関係がまさにズレの典型だったわけです。)

 「これ、必要事項足りてないから差し戻すべきじゃないですか。必要事項足りてないままでこれ引き渡しても向こうで却下して出し直しになるから結局時間と手間の無駄になりますよ」というと「いや、それは我々の判断ではできない」というクソッタレなやり取りをAとしました。まあ言われたとおりに申し送りしてお約束どおり却下されて「却下されましたよ出し直してください」を延々とやるわけです。なんだ? 俺の知識や経験が必要とか行ったのどこの誰だ? これなら文書の書式直すだけの業務だから大学生バイトでもできるぞ。私は思っていました。馬鹿馬鹿しい。なんでおれはこいつ二項も振り回されねばならぬのだ。不満は日本国債の発行残高のようにうず高く積み上がっていくのでした。

 そして、ボンクラのAは私に引導を渡しに来ます。この業務をメインに取り組んでほしいと。ただでも件数少ないのに。
 兼務している業務もあるのですが、そっちも着手すると少なくて30分、長いと2,3時間はかかりっきりになります。するとこの業務をできなくなる。だからそれは見逃す他ない。そうして、私は置物になっていきました。業務はMMさんとAとが握っていました。Aは自分がなんと言ったかも忘れて、隣りにいる私に文句を言うでもなく注文をつけるでもなく、毎日のように1時間半のランチに出かけ(この表現には私怨が混ざっています)、私が身動きできない状況を作り続けました。いわゆるダブルバインドです。これはほんとうに人の動きを止めます。コンピューターならフリーズするやつですから。害意がないのは知っています。ボンクラなだけです。ハンロンの剃刀くらい知っていますから。

 この頃私は相当病んでいたと思います。始業時刻から5分遅れが常態でした。Wはいう事聞かない以前に動きが予測不可能。Aは言うことが支離滅裂。他の部署内の同僚とは切り離された日常。この頃私の上下左右の六方は疎外感という壁と床と天井でできていました。列車の遅れはいつものようにあるので遅刻はそのせいもあるのですが、間に合う時刻に起きているのに間に合う時刻に家を出るというのがどうしてもできなかった。人間心底嫌なことをつづけると、嫌なことに着手できなくなるようです。毎日微熱感と後頭部の重い感じに追い回されました。息を吸うのすら重労働と言った感じになっていたような気がします。

 次週、俺死亡の巻!

つづく!